後悔

私は、後悔という気持ちを持たないほうだと思う。
どうにもならないと理解したいと思っているからかもしれない。

後悔、というよりも、『もしも』という思いを持って振り返ることはいくつかあるけれども。
でも、やっぱり今に『もしも』ということはありえないんだけど。


『もしも』
あのとき、君と歩む道を選んでいたら、今私はどんなことに『もしも』と想うのだろう。



けど。
今、あのときに戻れたとしても恐らく私はやっぱり今の私を選ぶのだろうと思う。

君は、私の一部だったけど。
ずっと、一緒に居たような気がしてたけど。
私が輝いていた時間、君はずっと私のそばにいたからね。

今でも、思い出すのはやっぱり君の笑顔やにおいや音。

いつもいつも自分の思いで私の手を引っ張っていってくれていた。
私はただ君について行けばいい楽な毎日だった。

立ち止まる時はいつも君を思った。君を頼った。
そして、私のことを考えてくれる君が居ることが、私の大きな支えだった。

やっぱり、恋愛感情なんて抱くもんじゃなかったな。

恋愛感情をはさんだことで知った新しい君の姿もあったけれど。

それが壊れてしまったときやっぱり、それまでの長い長い時間に刻んできた君との時間や築き上げた信頼関係みたいなものが、あっという間になくなってしまったもの。
分かっていたけどね、そんなこと。

それでも、そのまま君と一生一緒に居ると思ったから、君の手を求めてしまった。

そして、絶対に離すことはないと思った君の手を、私は離してしまった。


そして、今の私が居る。
私の生活がある。


後悔は、してないよ。
だって、さっきも言ったけど、やっぱり今あのときに戻ったとしても、私は今の私を選ぶと思うから。


ただ、時々、君のことを強く強く思い出してしまうんだ。
これからも、きっと。


一生、会えることはないんだろうけど。
君がこの世から居なくなってしまうときも、私は私が死ぬときまで知ることはないだろう。

あの時私がした選択は、そんな選択だったんだな。